お隣さん
隣の家は昨年2月にガレージのコンセントの火元が原因でボヤ火事が起き、曰く付きの物件になってしまいました。当時住んでいたのは、若い夫婦と小さな子供。その家族は、その家に移り住んでまだ半年ぐらいだったので、とてもショックだったと思います。私たちやご近所ですら近くで悲惨なことが起きたことに、悲しみや不安みたいなものがしばらく続きましたから。
結局、そのご家族はその家を知り合いに売り、その知り合いが家を部分的に修理して、売り始めたのです。どうみたって、こんな表面的な修繕だと、売れないんじゃない? って私たちは言っていました。実際、何人かの方がこの家の下見に来て、臭いに敏感な人はなんとなく異変を感じ、近所の人にこの家について尋ねたとのこと。
なかなか買い手がつかない中、ついに半年ぐらい前にある一人のリタイアメントした男性がネバダからこの家に移り住んできました。
私達はとても驚きました。きっと事故物件ってことを知らないのではないかと...
案の上でした。
ジェフさん。とても紳士的な男性で、アメリカ全土で電気関係のエンジニアとしてご活躍されてきたそうです。奥様を亡くした後、娘さんたちの住む場所への行き来に中間点だからということでこの地を選び、その家の購入を決めたそうです。でも火事という事故物件を知ったのは、契約も全て終わったあとだというではないですか!
彼はとても憤りを感じたそうです。”彼らは嘘つきだ!”と。
本当に気の毒に思います。一生懸命働いて、老後の蓄えを使って家を購入したのに、事実を隠されて購入させられた形になったのですから。どうやって、こんな非常識なことを不動産屋はできるのでしょうか.... 不誠実にもほどがあるこのあたりの不動産屋... 物件を購入する時はその周辺に住んでいる方の生の声を聞いてみることは大事だなぁと思います。
ジェフさん、当初引っ越してきた際は臭いが気にならなかったものの、エアコンが稼働するたびに、火事によって家のどこかに残っていた煤が落ちてくるんだそうです。でも彼はとても裕福で人柄も良い方なので、結局自腹を切って、セントラルヒーティング一式を取り替えたりして対処しています。
さて、そのジェフさんは時々彼が食べきれなさそうな食べ物を我が家に差し入れてくれます。先日はパプリカ、そして今回は豚肉とアップルパイ。豚肉はネットで購入した際に、間違ってブッロクで注文したそうで、大きな塊のポークの半分をスロークックで料理したものの、独り身で食べきれないから、冷凍している残り半分を我が家で食べてくれないか、、とのこと。
普段あまりポークは食べないのですが、ありがたく頂戴しました。まぁー、それにしても、、なんと大きいこと!この頂いた豚ブロックの重さは3キロぐらいありました!
我が家はインスタポット(圧力鍋)で玉ねぎや人参、キャベツの丸ごとと一緒に料理していただきました。
ジェフさんは、この周辺に身寄りがないので、何かあった時のために、娘さんたちへの連絡網として主人の連絡先を教えてあげており、隣人として気をかけています。田舎町ですが、意外とこの分譲住宅エリアでは近所のお互いの付き合いはありません。でも、こうやって時々、”良いお隣さん”と交流があることはいい事ですよね。
でも、ジェフさん、この周辺での友達が我が家だし、何もないからつまらないそうです。その上、最近できたガールフレンドの住んでいる地域が観光地で楽しいらしく、そちらへ引っ越そうかなぁーって考えているそう。
我が家としては、静かでスマートな良き隣人に、このまま隣に住んでいてほしいなぁーって思っているのですけど.... どうなるでしょうか。
たわいないお隣さんの話でした。。