英語ニュース:CNET【科学者がスチール製ナイフの3倍鋭い切れ味の木製ナイフを作成する】
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by げんちゃんママ翻訳
科学者がスチール製ナイフの3倍鋭い切れ味の木製ナイフを作成する
- ニュースの出所:CNET(メディア企業)
- ニュース発行日:Oct. 24, 2021
- 参照Webサイトは👉こちら
Photo出典:sciencenewsforstudentsより
<記事>
最高レベルのナイフといえば、通常、スチール製かセラミック製ですが、10月20日に雑誌 ”Matter” に掲載された新しい研究では、材料科学者は彼らの最新の製品について次のように説明しています。
--- ステンレス製ディナーナイフの約3倍鋭い切れ味の『硬化木製ナイフ』---
メリーランド大学の材料科学者であり、当該レポートの第一著者であるTeng Li氏によると、この木製ナイフはミディアムウェルのステーキを ”簡単に” 切ることができ、何度でも使用および再利用できるとのこと。
「私たちのキッチンには、まな板、箸、めん棒など、非常に長い間使用している多くの木片があります。これらのナイフもまた、表面を新しく作り替え、研ぎ、同じやり方で定期的な良い状態に維持すれば、何度でも使用できます。」とLi氏は雑誌で述べています。
なんだかCNETで紹介している最高シェフによるナイフ一覧のように聞こえてきますが、いくつかのクールな科学的根拠があります。
食卓食器類に木製を使用することは新しいアイデアではありません − グルメ祭りはこの程度しかわかりませんが − しかし、Li氏のチームは、刃の硬度を23倍に高めたナイフの木材を硬化させる2段階の方法を開発しました。これは、木材がより高いレベルのセルロース(線維素)を保持することを確保することで達成されました。
通常、木材には約50%のセルロースしか含まれておらず、いくつかの構造的な完全性があり、残りは弱い分子で構成されています。 Li氏の2段階のプロセスでは、これらの弱い成分を除去できましたが、セルロースは保持されていました。耐水性を考慮し、鉱油で木材をコーティングすることで、使用中や洗浄中に木材ナイフの切れ味の保護に役立ちます。
Li氏のチームは、高解像度の顕微鏡を使用して、なぜそれほどの強度を保持しているのかを究明するため、硬化木製ナイフを調べました。 彼らは、使用した2段階のプロセスにより、欠陥がゆっくりと忍び寄らないようにしたことを発見しました。「材料の強度は、空間、チャネル、くぼみといった欠陥のサイズと密度に非常に敏感です」と彼はレポートで述べています。
チームは、硬化木製ナイフの作成にとどまらず、木製の釘を開発し、従来のスチールの釘と同じくらい鋭いことを明らかにしました。
ナイフの機能は素晴らしいですが、その製造プロセスも重要であると言えます。チームは、この硬化木製ナイフが ”プラスチック製の食器に取って代わる可能性” を備えた ”再生可能かつ低コストの代替品” である可能性があると書いています。
<硬度のテスト結果>
解説訳:図Aは、2、4、6時間化学薬品で処理された天然木(緑)と硬化木(青)のテスト結果を示す。研究者たちは、これらの最も硬い木材から、市販のプラスチック製およびスチール製のテーブルナイフと比較した2つの木製ナイフを作成(図B)。鋭さを測定するために、ナイフの刃をプラスチックワイヤーに押し付ける(図C)。いくつかのテストでは、彼らはまっすぐに押し下げ(スライドせずに切断)、他のテストでは、のこぎり動作(スライドして切断)を使用した。より鋭い刃はワイヤーを切るのにより少ない力を必要とする。
感想:コーヒーショップでマフィンを頼んだ時に、力を入れ過ぎたらポキって折れてしまうような、木のフォークとナイフを利用したことがありますが、それよりも何倍も強固な木でできたナイフが一般の食卓で近い将来使われるということですかー 楽しみです。
やっぱり木って、それ自体に温もりがありますし、断然プラスティックよりもいいですよね。それに私は奥歯の銀歯の詰め物が時々ステンレス製フォークに反応するので、木製の方が口にも優しいかも...個人的には、この強固レベルの木材が個人で作れたりするのか、もうちょっと知りたい気分です。近い未来、3Dプリンターみたいなテクノロジーでこういった硬化木製品が簡単に個人で作れる日がくるといいなぁ。